第98回天皇賞秋タマモクロスがオグリキャップとの葦毛対決制する

   

第98回天皇賞秋はタマモクロスが勝利しました。この98回天皇賞は結果的に昭和最後となりましたが、それ飾るに相応しい名勝負です。葦毛同士の一騎打ち、ドラマ性に富んだ2頭の葦毛、そして最強の座を賭けた戦い・・・。

88年、天皇賞(秋)。

「芦毛の馬は走らない。」

この2頭が現れるまで、人はそう言っていた。

芦毛と芦毛の一騎打ち。

宿敵が強さをくれる。

風か光か?その馬の名は・・・タマモクロス。

―2012年天皇賞(秋)CMよりー

98回天皇賞秋は今でも語り継がれる名勝負です。

頂点を決める1戦

タマモクロス、オグリキャップ2頭の葦毛対決が注目されました。葦毛2頭の一騎打ちは日本競馬で始めてのことです。しかも希少な2頭がここまで積み重ねた実績は目を見張るものがあったのです。

1番人気オグリキャップは1988年において3歳。デビューの地である笠松競馬場から破竹の勢いで中央へ殴りこみ、同馬はここまで地方から数えて14連勝をして絶好調でした。14連勝の中にも重賞6連勝を含み古馬を相手に快勝を続け、前走ダービー馬のシリウスシンボリに勝利したことで1番人気を獲得。

当時の規定により、クラシックを走ることができなかったオグリキャップは天皇賞秋を選択。迎え撃つのは古馬最強のタマモクロスでした。後方からの追い込みのスタイルで白い稲妻と呼ばれていました。

タマモクロスは1988年において4歳でオグリキャップの1つ上です。クラシックでの戦績は皐月、ダービーでは出走もできないで条件戦で苦戦。イマイチな馬であったが、3歳時の10月から覚醒し、ここまで7連勝。この年は天皇賞春、宝塚を制覇し7連勝中でしかも同年は未だに不敗。

昭和最後の上がり馬となったタマモクロスはシンボリルドルフですらできなかった天皇賞春、秋連覇に臨みました。第98回天皇賞秋では前走走っていないことで2番人気となったが、調教でしっかり走るので準備は万全だったのです。タマモクロスを管理する小原調教師は南井騎手に「全て任せるから」と送り出しました。

最強の座を決めるべく地方からの怪物オグリキャップと1年前は条件戦さえも苦戦していた古馬最強のタマモクロスが激突したのが第98回点賞秋でした。

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オグリキャップをねじ伏せたタマモクロス

ゲートが開いて、先行集団を見るとそこにはいるはずのない葦毛の馬が馬体を揺らしていました。その姿はオグリキャップではなくなんとここまで追い込みで連勝を重ねていた白い稲妻のタマモクロスだったのです。観客も驚くの声があがり、その中でもっとも驚いたのは小原調教師で、「心臓が飛び出るかと思った」と後にコメントを。

どよめくスタンドの中タマモクロス鞍上の南井は冷静でした。「後ろからいって、前が詰まって届かない競馬はしたくない」という南井騎手の作戦。そしてここまで連勝を重ねたタマモクロスならば、通常の競馬と違う戦法をしても対応できるという信頼の証でもあったのです。

逃げるレジェンドテイオーを2番手で追走するタマモクロス。直線に入ると逃げるレジェンドを捉えて先頭に躍り出ます。その姿を見たオグリキャップ鞍上の河内騎手は「これなら、タマモクロスが直線でバテる」と判断し、4コーナーで追い出しにかかります。

東京の直線でオグリキャップは前走の毎日王冠と同様にタマモクロスと差を4馬身、3馬身、そして1馬身半差と縮めます。しかし、1馬身半差から差が詰まりません。タマモクロスはレース序盤から積極的に先手を取り、最後の直線もまるでヨレずに必死に首を前に出して走りました。

逃げるタマモクロスとオグリキャップとのラスト100メートルのマッチレース。音をあげたのはオグリキャップでした。粘りを見せるタマモクロスを抜けずにオギリキャップは我慢できずに内にヨレました。

オグリキャップが精根尽きる中、タマモクロスが見事にゴール。史上初の天皇賞春秋の連覇、G13連勝を達成しました。そして同時に笠松の怪物オグリキャップが中央で初黒星を喫した瞬間だったのです。

世紀の葦毛対決を制した南井騎手は「葦毛同士で、2着。ほんま、よかったわ」とコメントしました。(天皇賞全史より引用)まさに葦毛2頭が最強の座を賭けた世紀の対決、第1戦はタマモクロスが記録づくめの勝利を収めました。

まとめ

オグリキャップ、タマモクロスに続いて葦毛の名馬はメジロマックイーン、ビワハヤヒデ、セイウンスカイ、クロフネ、ゴールドシップ等が現れます。しかし葦毛2頭が最強の座を賭けて戦ったのは未だにこの2頭だけです。もう20年以上前のことですが、今もなおオグリキャップ、タマモクロスの名勝負は色褪せることはありません。

それでは、でこぽんでした。

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