「武神 八幡太郎義家」読んでの感想

      2016/06/09

八幡太郎

桜田晋也著『武神 八幡太郎義家』を読みました。

普通にネタバレを含みますので、気をつけてね。

源八幡太郎義家。教科書でも出る有名人です。

また鎌倉幕府を作った頼朝、義経の5代前の先祖です。
私の源義家についての知識なんてそんなものしかありませんでした。

なんかよくわからないけど、凄く強い人という印象でした。
だか、この武神・八幡太郎義家を読んで色んなことがわかりました。

 

 

 

 

義家強いがままならない

当然なのですが、源義家が凄く強いです。
弓馬に秀でて、合戦で倒しまくります。

しかも弓矢の狙いは正確で、あたれば倒せる必中の必殺技でした。
乗馬したまま、でかい弓を射るなんて大変なのに。
昔の人は凄いなぁ~。

 

源氏の部下達も騎馬、弓が達者で敵を野戦で散々に倒してます。

楽勝で、東北の反乱を平定できるかと思ったら、源氏も苦戦します。
何故なら、源氏が戦った場所は東北です。

特に、前九年合戦はもうグダグダです。

だから、冬の寒さと兵糧難で戦いが長期化してしまいのです。
おまけに、食料の支援の要請も京都にいる朝廷がちゃんとしません。

兵を調達しようにも、腹が減ったら戦どころではありませんのでね。
中央からの支援もないので、源氏の方も決定打を打てません。

前九年合戦では出羽国の清原氏の応援で勝利を治めて
後三年合戦は雪が激しくなる前に、なんとか敵の砦を陥落させました。

英雄らしく戦いもあるのですが、華々しさよりも戦のままならない感じを受けました。

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頑張ったのに、恩賞がない

 

史料としてのネタである陸奥話記はちょっと偏りがあるらしいです。
しかし、小説で戦が長期化してのだから、本当はもっと辛い戦だったのでしょうね。
リアルで書いたら、残酷でやばそうだね。

しかも前九年合戦、後三年合戦で東北を鎮めても
恩賞が朝廷からあまり出ないので、あんまりだなと思いました。

あげなかったのは、義家の名声が高まるのを恐れたことに小説ではなってました。
頑張ったのだから、後三年合戦の恩賞あげらば良かったのに。

朝廷から恩賞がないので、自分の領土を部下に与えていました。
部下だって頑張ったのだから、褒美貰わないと不満溜まりますからね。

もう部下達は義家に感謝して、庇護を求めまくってました。
義家は恩賞をもらってないのに、家臣には自分の持ち前を恩賞として与えたのです。

家臣団も「朝廷に背くとも源氏には背くな」とまで慕われたとのことです。
この時代の支配者層は税金取りまくりの国司ばかりではなかったことを知りました。

 

この小説の義家は凄く強いです。主人公ですから。
しかし、不利な状況になってスーパーパワーで都合よく問題解決とはいきません。

 

朝廷から蔑まれコキ使われる、東北での戦でサポートしない、武士の棟梁は恐い
寒くて戦線硬直、許した奴が暴れる
そういったことを文句言わずに、淡々と処理しました。
義家の英雄物語と思って読んでみたのですが、意外と地味な話でした。
源義家のことをあんまり知らないので読んでも楽しめました。
時代背景、当時の歴史観についても筆者が独自に構築しているので。
八幡太郎について知らない人なら、読んでみるといいかも。

 

 

 - 読書, 日本史